あたなただから買いたい

致知11月号に掲載されていた山本幸美さんの「『あなただから買いたい」と言われる32のルール」は営業マン向けに書かれた本ですが、美容の仕事にも通じるものがあり、指名売上アップの参考にしていただければ幸いです。


『あなただから買いたいと』と言われるためには


営業マンに求められているのは、お客さますらも気がついていない「お客さまにとって本当に必要なもの」を探し出すことなのです。

現実にそれができる営業マンは、お客さまに感動を与え、心から感謝されて、「大切な存在」として認知されるようになります。


そのために「ディープセールス」をしましょう。

「ディープセールス」とは、文字通り「深く売る」ということ。

つまり、一人のお客さまから、より多くの金額をお支払いいただくことを意味します。

そこで、あなたに質問です。

あなたは、売上げは何で決まると思いますか?

そう、「単価×客数」で決まりますよね。

取り扱う商品やサービスの値段は違っても、営業マンとして顧客単価の向上は1つの課題です。シンプルに考えても、単価と客数のどちらか、あるいは両方を上げなければなりません。

このことに気がついたのには理由があります。あるとき、

「この20万円の商品にします」

とお客さまがおっしゃったので、

「今回、どうしてこちらの商品にご興味をおもちいただいたのですか?」

と聞いてみたところ、

「うーん、何となく「これがいいんじゃないのかな?」と思って…。山本さんはどう思いますか?」

と逆に質問されてしまいました。そこで、

「そもそもこの商品を言いと思っていただいた背景には、どんなお悩みがあったのでしょうか?」と質問しながら話を聞いていくうちに、お客さまの悩みを解決するためには、最初にご希望いただいた20万円の商品よりも、それには別の60万円の商品の方がはるかに適しているという結論になり、結局、3倍の値段の商品をお買い上げいただくことになったのです。

念のために言っておきますが、このとき、とくにわたしは高い商品に誘導したわけではありません。

もちろん、お客さまの意向を曲げて強引にクロージングしたわけでもありません。


表面上の「欲しい」という言葉を鵜呑みにするのではなく、もっと奥深くにある、悩みや課題をつかみ、お客さまにとって本当に必要なものを提案する。


それだけで、単価がグンとはね上がったのです。


★「ディープセールス」には無限の可能性がある


さて、ここまでをお読みになって、あなたはこう思われたかもしれませんね。

「あれっ?肝心の客数は?」

じつは、「ディープセールス」を実践していると、単価が上がるだけにとどまらず、お客さまの満足度が高まったぶんだけ、「リピート率向上」や「『あなたから買いたい』という指名買い」、さらには「他のお客さまの紹介」などが期待できるのです。

考えてみてください。

新規顧客は買ってくれることすら未確定ですが、一度買ってくれたお客さまは丁寧で誠実な対応をしていれば、継続して取引してくれる可能性が高いですよね。

加えて、「取引先の優良顧客を紹介したい」などというケースもよくあります。


いいお客さまは、同じくいいお客さまとつながっているもの。


「評判が評判を生む」というのは、まさにその極みでしょう。

さあ、あなたもいますぐ「ディープセールス」を実践してみてください。

きっと「忙しいわりに結果が出ない」という悪循環から脱出することができるでしょう。

ちなみに、「ディープセールス」を実践するにあたっては、絶対にはずせないポイントが2つあります。

①お客さまの希望やニーズを聞きすぎない

お客さまの希望やニーズを鵜呑みにするのではなく、時には営業マンのほうからプロの視点に立って「お客さまが気づいていないニーズ」を提案する。

これが大切です。

事実、「売れる営業」は、お客さまの言葉による「不明瞭な希望やニーズ」に応える時間を減らし、真の問題点を掘り起こし、それを解決することにのみ注力しています。

つまり、「希望やニーズを聞きすぎない=お客さまの希望やニーズに合わせすぎない」ということ。

お客さまにとって「何が必要なのか?」を知り、それを解決することに注力する営業スタイルに変えるだけで、他の営業マンとは一線を画すことができるでしょう。

お客さまの希望やニーズを聞きすぎるのではなく、お客さまにとって本当に必要なものが何なのかを知ることが大切です。


②お客さまの不満のありかを知る

表面的な言葉にとらわれず、「お客さまの本当のニーズは、お客さまの『頭のなか』にあります」

最初は形(言葉)に現れていなかった「悩みや不満のありか」深いところにある「悩みの種」や「動機」を浮き彫りにし、それを知ることで新たに見つかった「お客さまにとっての本当のニーズ」に応えられる解決策を提案してあげましょう